「賢い土地購入」旗竿地編―成功・失敗を分ける大きな5つの要素
注文住宅情報コラム
COLUMN
【営業】 阿部 栄樹
市街地で良く目にする旗竿地。旗竿地という言葉を初めて目にされた方のために少しご説明します。
旗竿地とは、出入り口となる通路部分が狭く、その奥に家の敷地となる部分が存在する形状の土地のこと。
文字通り、のぼり旗のような形をしています。
市街地に近づくにつれ、この旗竿地の率は高くなります。 最近開発造成されている郊外の住宅地でも見ることもあります。
この旗竿地、一見「不便そう」というデメリットに注意が行きますが、本当にデメリットだけなのでしょうか。
この旗竿地について、少し考えてみたいと思います。
旗竿地の良さを活かす家にするに5つのポイント
まず旗竿地にはデメリット・メリットが存在します。
①旗竿地のデメリット
採光や通風の面で工夫が必要。 土地の出入り口部分が固定されているので、間取りもある程度決まってしまう―など。
②旗竿地のメリット
希望する人気の高いエリアで安く購入できる。 通りからは見えないので、家の外観よりも内装に建築費用のウエイトを置ける―など。
③旗竿地で注意したいこと―建築費用の面
建築用重機が入りづらい時は人力に頼る面が出てきてしまい、コストに反映されてしまう。 水道管などのインフラが敷かれていない、隣地との高低差があるなどの場合、それらの手当てのために土地代だけでなくこれらの コストも必要になるケースがある―など。
④旗竿地で注意したいこと―法律の面
公道に2メートル以上接道している、隣地が公園・緑地であるなどの条件を満た す必要がある。自治体によっては、防火基準を高く求める場合がある―など。
⑤肌竿地こそ、建築家の腕の見せ所
規格化されたハウスメーカーでは対応できない旗竿地・狭小地こそ建築家の知恵や技術が必要。 その土地の持つクセ、近隣の家との関係性などを十分考慮しなければ快適な家にならない。
「どうしても人気のエリアに家を持ちたい」というニーズが上位に挙がっている場合、この旗竿地は大きなメリットをもたらしてくれます。 比較的安価に土地を購入できるからでした。 ですが、その分コストが上がってしまうかもしれないこの旗竿地。 予算内でどう収めるか、専門家である建築家の知恵を借りる必要があります。
最終的に価値として残るのは土地の価値。 それを考えれば、利便性の高いエリアに例え旗竿地であっても土地を持つというのも一つの考え方です。
いずれにせよ、総合的に考え、最終的に判断するのはお施主さまです。 人気のエリアを最優先に考えるのか、多少不便でも広々とした郊外の土地を選ぶのか―。 ひとつの大きな分岐点ともいえるポイントとなるでしょう。