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高気密・高断熱住宅とは?

【営業】 阿部 栄樹

   

伝統的工法で建てられた木造家屋は、どこからともなく吹き込む隙間風で冬は寒いものでした。夏はそれでもよいものの、住まい手の高齢化に伴ったヒートショックや、エコの観点から気密性や断熱性を重視した家が普及しています。これが「高気密・高断熱住宅」です。

 

[高気密住宅とは]

在来工法で建てられた家は、天井や柱と壁の間に存在するちょっとした隙間からの隙間風が発生することがありました。高温多湿の夏を四季の一部とする日本において、家というもの、古くは「夏をもって旨とすべし」とされてきた時代を経てきましたが、今は少し事情が違ってきています。 人口に対する高齢者の比率が高くなればなるほど、冬場のヒートショック、夏場の熱中症の問題は大きくなります。エコの観点からも、冷暖房の効率を最大限に引き出すために高気密の家は重宝されています。ジョイント(つなぎ目)部分の隙間を極力減らすことで気密性を保つのです。

 

[高断熱住宅とは]

気密性と同時に考えなくてはならないことに、断熱性があります。冬の寒さ、夏の暑さを家の中に持ち込まないために、断熱材を使用することで「夏は涼しく、冬は暖かく」過ごすことが理想的なのです。 断熱材の種類、断熱材を施す場所(内断熱・外断熱)など、方法はいくつかありますが、その歴史は実はまだ浅い物です。1950年代に北海道で防寒対策から始まった高断熱住宅は、技術が確立されてからまだ20年ほどと言われています。 夏は涼しく冬は暖かい家―これは環境問題や経済的な面でのエコ志向にも合うものとして、どんどん南下して行きました。

 

[高気密・高断熱住宅の注意点]

外気温に影響されないために、家の内部と外部とを明確に切り離す施工が行われる高気密・高断熱住宅。このため、注意点が幾つかあります。 まず一番に挙げられるのが換気の問題です。このような家では24時間換気が義務付けられています。シックハウス症候群を防ぐため、もしくは必要に応じて使用する火気による二酸化炭素中毒を防止するためにはとても大事なことです。快適な気温の季節には窓を開けることも必要ですから、いくら高気密・高断熱住宅といえど通風計画は綿密に立てる必要があります。 更に、基本的に冬もさほど寒くなく、夏はよい風の吹くエリアでは、高気密・高断熱住宅がいわゆる「オーバースペック」となることもあり得ます。どこまでの気密性・断熱性が必要かは、地元の建築家が一番よく知っています。コスト高となりがちな高気密・高断熱住宅ですから、本当に必要な性能がどこまでなのかを充分に相談しておいてください。